ITパーソンのためのキャリア開発
2 モチベーションをあげる
こんにちは。株式会社オイコスの小田美奈子です。
前回「1マネジメントに関する勉強が足りない」で大坪さんがエンジニアや
プロジェクトマネージャに感じ
ている課題は「マネジメントに関する勉強が
足りない」ことでした。
なお、ここでの「マネジメント」は、ハーバードビジネススクール名誉教授で
あるジョン・P. コッター氏が『企業変革力』で提唱されている下記を表しま
す。
「マネジメントとは、組織内のプロセスを計画し調整し統合すること。継続的
改善に必要なのはマネジメントであるが、飛躍と変革に必要なのはマネジメン
トではなくリーダーシップである。リーダーシップとは、組織を誕生させ、あ
るいは激しく変化している環境に組織を適応させる役割である。」(*1)
「マネジメント」に関する課題とは、具体的には、1)お金に関すること、2)
人に関することの2つです。
今回は、2)人に関することについて詳しく伺いました。
【仕事を上手く進めるためには、マネジメント能力の向上が必須となります。
ITの開発では、納期、予算、品質を計画通りに管理していく物事のマネジメ
ントと、開発に関わる人のマネジメントが求められます。
人のマネジメントで置き去りにされがちなのが、メンバーのモチベーションを
上げることやチームを一体化すること(チームビルディング)です。
最近の開発は以前と比べて短納期、そして複雑化しています。こういった状況
では物事のマネジメントだけでは限界があるように感じています。
技術者の多くは、自分のスキルアップについては一生懸命であり、またそれが
自分のキャリアアップにつながります。しかしキャリアアップするにつれて、
マネジメント能力が求められるようになってきます。
そうなると、求められることが、"自分の能力の発揮"から"チーム全体の能力
の発揮"になります。
キャリアアップするにつれて、求められるスキルが違ってくるのです。そこを
クリアしないと技術者としては優秀でも、マネージャとして人を育てられない、
チームをまとめられないということが起きてきます。
私のおすすめは、対人関係づくりがうまい人をみつけ、その人がなにを行って
いるのかどんな言葉づかいをしているのかをよく観察してみることです。
うまい人から学ぶこと、それが一番早いです。もちろん学び実践することも必
須です。実践しないと身につきませんから。学んで実践する、その繰り返しで
すね。】(大坪さん)
<モチベーションについて>
大坪さんのお話にあった"モチベーション"について、改めて考えてみましょう。
モチベーションとは、「動機を与えること、動機づけ」であり、「ある方向に
向けて、何らかの行動を起こし、その行動を続けようとする心的過程(*
2)」を意味します。
動機づけには、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」という考え方があり
ます。
・外発的動機づけ:「外的報酬が目標となり、その目標達成のための手段とし
て行動が起こるようなもの(*2)」
報酬(金銭や物品)を得るためや罰を避けるための動機づけ。
・内発的動機づけ:「当該の行動以外に、何ら明白な外的報酬がない時、その
行動は内発的に動機付けられている(*2)」と言える。
例えば、外的には報酬がないが、強い好奇心からある行動をすることは、これ
に当たります。
これら2つの動機づけは、仕事をする上ではいずれも必要ですが、外発的動機
づけよりも内発的動機づけの方が、持続性があり、成果も期待できると言われ
ています。
内発的動機づけを支えているものは、下記の3つと言われています。(*3)
・自己決定感:「自分の行動は自分で決めている」という感覚
・有能感:「自分は出来る」という感覚
・関係性:周りの人との良好な関係
メンバーにこれらの感覚を持たせることを、ぜひ意識してみてくださいね。
小田が以前取材でお会いした、ソフトウェア会社でプロジェクトリーダーを経
験した男性は、下記の3つを心掛けてメンバーと関わったことで、メンバーの
モチベーションが上がったそうです。
1)メンバー個人のやりたいこと(仕事の内容)についてじっくりと聴く
2)プロジェクトの中で適切なポジションや役割を考える
3)できれば、方向性やテーマを一緒にして、個人の探究心と仕事の成果を
合わせる
↓詳細は下記の記事をご覧ください。
@自分戦略研究所「プロジェクトを成功に導くために!
〜成果を生み出すコーチング」
第1回 コーチングでモチベーションアップを狙え
http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/rensai/s_coach01/s_coach01.html
メンバーのモチベーションを上げること、ぜひ試してみてくださいね。
今回のテーマ「モチベーションを上げる」、いかがでしたか?
この記事が、皆様のコミュニケーションを改めて考えるきっかけになると幸い
です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
株式会社オイコス メンター 小田美奈子 プロフィール
1968年生まれ。大学卒業後、食品メーカーで商品開発、情報提供サービス会社でリサーチ業務、契約社員の人事・採用業務、給与体系や就業規則の改定に携わる。1999年より化粧品メーカーのマーケティング部門にて、ユーザーへのグループインタビュー等、各種調査の企画・運営・報告業務に携わる。 2000年春、コーチングの考え方に出会い、「答えはその人の中にある」「その 人の能力や可能性を最大限に発揮するサポートをする」という考え方に魅力 を感じ、学び始める。(株式会社コーチ・トゥエンティワン及びCTIジャパン) 2003年より、特定非営利活動法人日本コーチ協会 東京チャプター(JCAT)の設立に参画し、現在は事務局幹事を務める。 2004年より株式会社日本マンパワーにてキャリアカウンセリングを学ぶ。 2005年に独立し、主に経営者・管理職を対象とした「事業計画の達成」「人材育成」をテーマとした One to oneコーチング、20~30代の会社員を対象とした「キャリア」をテーマとしたキャリアカウン セリング、コーチングやキャリアに関するセミナーや執筆を中心に活動している。
<参考文献>
*1:『企業変革力』ジョン・P. コッター 著、梅津 祐良 訳、日経BP社
*2:『教育心理学の理論と実践』関一、古市裕一、松浦宏、中西信男 著、
日本文化科学社
*3:『人を伸ばす力〜内発と自律のすすめ』
エドワード・デシ、リチャード・フラスト著、桜井茂男 訳、新曜社
『学習意欲の心理学〜自ら学ぶ子どもを育てる』桜井茂男 著、誠信書房
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